Olivier Assayas
「…嘘というのは私の映画で、現実におけるのと同じく、ある状況から逃走するための役割を持つ。現実そのものから、この世界から脱走すること。とりわけそれは、もはやオルタナティヴな選択肢がない瞬間や状況において為される。嘘とはつねに逃走の手段だ。
…そう、嘘には代償が支払われる。そしてそこには当然、嘘から真実への道筋が生まれる。
いずれにせよ、ひとは嘘によって現実から逃走しようとするが、この試みは必ず代償を伴う。
なぜなら現実や世界の特性とは、「変質しない」という点にあるのだから。
それが真実だ。
ゆえにそこから逃走することはナンセンスというわけだ。」
― Olivier Assayas